自動車を購入すると一般的に対物賠償保険に加入しますが、対物賠償保険の補償の対象となるのは「他人」の物に与えた損害です。従って、事故によって契約者やその家族の所有物が壊れたとしても保険金は下りません。

ちなみに、自動車保険でいうところの他人というのは被保険者以外の人のことを指します。そして、被保険者というのは契約者とその配偶者、同居している親族、別居している未婚の子どもになります。別居している親や既婚の子どもは被保険者には含まれません。

例えば、妻が運転者の時に自宅の車庫にぶつけたとしても補償はされませんが、夫の実家に帰省中に実家の塀を壊した場合は保険金が支払われます。ただし、保険金目当てに故意に事故を起こした場合は当然、保険金は下りません。ところで、同居親族間における事故で保険金が支払われない理由は、同居親族は経済的に同一であるため、賠償という概念上適切ではないからです。

なお、他人の物というのは個人の物だけを指しているわけではなく、店舗や会社、自治体の所有物も対象になります。従って、店舗の商品を傷つけたり、会社の施設を破損させたり、ガードレールを損壊させたりした場合にも補償対象になります。さらに、壊れた物の修理代や代替品の購入などの「直接被害」だけではなく、逸失利益などの「間接被害」も補償されます。