自動車事故は、被害を与えたものが人か、物かといった区別によって、大きく「対人事故」と「対物事故」とに分かれます。一見すると「対人事故」のほうが法律上の損害賠償額が高額になりそうですが、そうとも言い切れない事情があります。例えば、沿道の店舗に自動車が突っ込んで、修理するまでの間、営業ができなくなってしまったような場合です。
この場合、店舗の建物そのものの修理費用は当然に対象となりますが、そのほかにもさまざまな費用が含まれることになります。本来であれば店舗を休業中に得られるはずであった分の営業損失や、休業中の従業員の給料、店舗の中に陳列されていた商品で破損したものの弁償代などが挙げられます。その損害は商品が高額であれば相当の規模にのぼりますし、現にこうしたケースでは、事故後の民事裁判によって、1億円を超えるような高額判決が出された経緯があります。
店舗ではなく、衝突したトラックの積み荷が高価な商品であった場合や、車両の単価が高額で、しかも営業上の損失も膨大となる電車に衝突した場合なども同様になります。こうした事態に備えるためには、対物賠償保険で保険金額を無制限として契約しておくことが望まれます。