自動車保険は「保険法」などの法律によって、その運用のあり方が厳しく規制されています。保険は多くの契約者を募集することで保険料として資金を集め、その資金を株や債券などに換えて運用することを通して資金を増やすとともに、契約者に不慮の事態があった際には集めた資金のなかから被害に相当する金額を補償し、安心して生活ができるようにする仕組みです。そこには支払った保険料に見合った保険金の給付という、制度の公平さを支える理念が貫かれています。保険料を支払う際、過去の請求歴によって保険料が高くなったり、逆に自動車の使用距離が少なくリスクが低い人は保険料が割安になったりするのも、こうした公平さを支える工夫のひとつとなっています。
自動車保険では、免責事由として補償を行わない場合もいくつか定められていますが、そのなかには制度の公平性をゆるがしかねないケースが多く含まれます。「故意の事故」はそのひとつで、保険金詐欺が目的でわざとケガをしたり、法律に違反しているのがわかっているのに酒酔い運転で車を衝突させた場合などが典型的です。こうしたケースについては、補償を行うことで他の契約者にとって不公平になることが明らかで、制度を維持できなくなるおそれが強いことから、あらかじめ免責とされているものです。